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「土屋ゼミってどんなゼミ?」
~当ゼミ一押しインタビュー調査に迫る~

★そもそもゼミとは?
 早稲田大学政治経済学部では学部3、4年次に専門性の高い演習を少人数で行うゼミナールがあります。大学の通常の講義と違い、グループワークやグループディスカッションなどを通じて、学生が主体的に活動することが求められます。
 さて、このゼミって何のために入るのだろう。そう思った方、多いのではないでしょうか。ある人は興味ある研究のため、またある人は就職活動のため、様々な想いを持ってゼミに入ります。もちろん、ゼミには入らない、という選択肢もあります。ただ、ゼミでの経験や機会を最大限に生かすことが出来れば、人生が大きく変わるかもしれません。そんな無限の可能性がゼミにはあります。

 ★ゼミ選考が変わった!(2014年7月現在)
ところが最近、このゼミの選考が変わりつつあります。1年前から「事前希望調査」※1 なるものが始まり、今年からは選考時期が早められました。学部ホームページ※2 の「【重要】2015年度_専門演習について」には「先輩などの情報を頼りにせず…」などと書かれているほどです。
ですが、「いきなりゼミって言われても…」そんな方が多いのではないでしょうか。少なくとも私はそうでした。(ゼミオリ※3 やゼミ友※4 など、必死に情報を集めた記憶があります)
 前置きが長くなりましたが、そこで土屋礼子ゼミナール(以下土屋ゼミ)を少しでも知っていただき、学部生の方のゼミ選びや一般の方が土屋ゼミを知る一助になれば、そう思って筆を取りました。

 ★土屋ゼミの一押し
 さて、土屋ゼミの主な活動ですが、現時点で3年生はインタビュー調査、4年生は卒業論文の執筆を行っています。また、ゼミジャーナルの更新やフォーラムの開催なども随時行っています。ただ、土屋ゼミの一押しはなんと言ってもインタビュー調査、他のゼミでは絶対に経験できないのがこのインタビュー調査です。例年、このインタビュー調査に惹かれて土屋ゼミの門戸を叩く学生が後を絶たないほどです。
 肝心のテーマですが、昨年度は「戦後日本の科学ジャーナリズムの経験知」というテーマで、様々なメディアで働いてこられた科学ジャーナリストの方々にお話を伺い、一冊の本にまとめました。※5 また今年度は「アジアの国際報道」というテーマでインタビューを行う予定で、現3年生は目下その準備を進めています。

 ★インタビュースケジュール
 では実際にどのようなスケジュールでインタビューを行うのか、簡単に書きましたのでご覧下さい。

4月  英語文献講読      →取材するテーマに関連のある英語文献を読み込みます。
5月  英語文献講読       
6月  日本語文献購読     →取材するテーマに関連のある日本語文献を読み込みます。
7月  日本語文献購読      
8月  夏合宿に向けての課題   事項研究・人物研究など、課題を行います。
9月  夏合宿         →研究成果の発表やテストがあります。
10月 インタビュー調査    →実際にインタビューのアポ取りや取材を行って
11月 インタビュー調査     いきます。
12月 文字起こし       →取材した音声を文字に書き起こします。
1月  冬合宿         →インタビュー調査の反省会を行います。
2月  読み合わせ       →報告書の出版に向け、最終チェックをします。
3月  インタビュー報告書出版 →ずっしりとした一冊が完成します。

★インタビューの思い出
 実際にインタビューを行った現4年生の方に、インタビュー調査の思い出を語ってもらいました。今回は小俣君と鵜川さんにお話を伺いました。

山田:インタビュー調査があることをご存じでしたか。
鵜川:いえ、知らなかったんです。もともと土屋先生の授業に感動してゼミを志望したので、インタビューがあることは面接の時に知りました(笑)。あとは自分が興味あることを幅広くやれるのではないかと思って土屋ゼミを希望しました。
小俣:自分はインタビューがやりたくてゼミに入りました。ゼミ友を読んで、ゼミオリやオープンゼミに行ったりしました。まぁ自分は土屋先生のことをもともと知っていて、他では出来ないことをやりたいなと思ってこのゼミを志望しました。

山田:科学というインタビューのテーマについてはどう思いましたか。
鵜川:当初は取っつきにくそう、というのがありました。でも当時は原発事故などもあり、非常にやりがいはあるのかなと思いました。ただやってみたら意外と大変で、一から勉強でした。
小俣:うん、ちょっと難しそうだなとは思いました。実際、図書館に籠もって本を読んだりしました。

山田:インタビューに向けた準備で英語文献を読まれたと思うのですが、どうでしたか。
鵜川:英語文献は苦戦しました(笑)。訳は出来ても、科学に対する知識不足で大変でした。
小俣:まぁ難しかったです(苦笑)。

山田:夏に向けての課題では、放送ライブラリー※6 に行って映像を見たりしましたが、他にはどんなことをしましたか。
鵜川:一人一つずつ、科学のテーマごとに報道と歴史を調べて発表するという課題で、遺伝子技術と報道、だから遺伝子組み換え食品とかクローン羊のドリーとかを扱いました。例えばらせん構造が発見された時はそれほど日本では報道が無く、海外の報道も調べたりしました。それが実は卒論に続いていて、今そのテーマで研究をしています。
小俣:うん、それが事項研究ですね。自分は薬害問題について調べました。あとは人物研究もしました。大森実さんって方の年表や実績をまとめたんです。今思うとそれが結構インタビューに役立ちました。

山田:インタビュー前のアポ取りはどうでしたか。
小俣:いや、すごい緊張しまいた。結構電話する時間とかも気にしてアポ取りをしました。なかなか電話がつながらなかったりもしました。
鵜川:私はそれほど緊張しなかったです。女性でお優しい方だったから。インタビュー前の「こわい!」って気持ちの方が大きかったです。前日はもう眠れませんでした。

山田:インタビューで面白かったことは何でしょう。
小俣:人によって全然インタビューが違ったことですね。今のジャーナリズムにすごい危機感を抱いている人とか、取材経験豊富でお話が面白い方とか、結構オープンにお話し頂けました。
鵜川:うん、自分の協力者の方も色々でした。特に女性記者にお話を聞いた際。意外とお淑やかで謙虚な人だったのが意外でした。記者だからもっと忙しない方なのかなというイメージを持っていました。あとは、凄い自慢話ばっかりの方とかいました。後日その方も原稿を見てびっくりしていましたけど、あれは私も反省でした。

山田:インタビューではどんなことに苦労しましたか。
鵜川:聞こうとしていた質問を聞ききれなかったことですね。時間配分を間違えてしまったりしました。どちらかというと、インタビュー相手のペースに合わせてしまって、なかなか話を遮れなかったりしました。でも二人でインタビューするので、フォローしてもらったりしました。
小俣:うん、そうそう、相手のペースに呑まれてしまったりですね。あと自分の場合は考えてきた質問にとらわれちゃって、あまり臨機応変には出来なかったです。もっと面白い話聞き出せたのでは、と思います。

山田:インタビューに向けての勉強で、役だったものは何ですか。
鵜川:夏合宿で受けた科学に関するテストですね。知識がある程度ついていたので、相手のお話も大分理解できました。
山田:ちなみに、一発で合格点はもらえましたか。
鵜川:いえ、最初は10/30点でした。二回目になんとか、でした(笑)。
小俣:自分も二回目に合格って感じでした。自分としては、夏合宿までの人物研究がすごい役に立ちました。インタビューする時の聞くポイントがなんとなくわかった気がします。事項研究は事項研究で知識がつくから必要ですけどね。

山田:インタビューをした後の文字起こしはどうでしたか。
小俣:結構単純作業な面があるから、大変でした。でもなんとか期限はちゃんと間に合わせました。
鵜川:今までやったことのない作業なので大変ではありました。特に聞き取りづらい言葉や専門用語ですね。調べながらなので結構時間掛かりました。

山田:インタビュー調査を終えて、何か得られた物はありますか。
鵜川:私は、女性の記者二人にインタビューさせていただいたのですが、お二人とも忙しい中で子供を育てながら働かれていたので、仕事も家庭も両立できるのかなと、まぁ気負わずやりたい仕事をやろうみたいな決心が出来ました。
小俣;就職活動とは直接的に関係なかったけど、大人の人とアポを取ってしゃべるっていう、社会を知る経験になりました。なかなかできない経験でした。あとは大学で「勉強したぞ」って証になったことです。分厚い本が一冊完成しましたから。国会図書館で検索したら本当に出てきてびっくりしました。
鵜川:あ、それは私もびっくりしました。著者として名を連ねたから、ちょっと誇らしいですね。

山田:またインタビューをやりたいですか。
鵜川:うーん、やりたいって言わないとだめですよね(笑)。まぁ「インタビューは会話」と先生に言われていましたけど、それが出来たり出来なかったりだったので、リベンジしたいなとは思います。
小俣:なかなか難しいです。まぁインタビューだけなら面白いんだけど、その前と後の作業が大変です(笑)。インタビューだけならまたやりたいです。

山田:これから土屋ゼミを志望する方に一言。
小俣:こういうことをやっているゼミって他に無いと思うので、面白い経験は出来ます。ちょっとゼミ頑張ろうかなという人には凄いオススメです。あと面接は「熱意を持って明るく!」、インタビュー出来るかどうかを見ているのではと思います。
鵜川:えーっと、基本的に期日が提示された中で課題や研究を進めていくので、要領の良さとやる気がある人はすごく向いているかなと思います。あとはめげないことですね、先生に怒られても(笑)。
山田:ありがとうございました。

★最後に…ゼミ合宿の予定
 ゼミジャーナルの記事を読んでくれた方はご存じの通り、夏と冬にゼミ合宿を行っています。例年、国内なのですが、今年はなんと、初の海外夏合宿なのであります。場所は中国の北京、伝媒大学で交流のシンポジウムなどを行う予定です。また冬は伊豆川奈のセミナーハウスの予定です。
さて、いかがでしたか。この記事を読んで、私どもの活動が少しでも分かって頂けたら幸いです。このインタビュー調査に少しでも興味・関心をお持ち頂けた方、是非一度、国会図書館か早稲田大学図書館で調査報告書をご一読していただけたらと思います。



  ※1 ゼミ選考の前に行われる調査で、各学生の志望ゼミを集計し、志望者が多いゼミの志望者数を告知するものです。特定のゼミに志望が偏ることを防ぐことが目的だそうです。
※2 早稲田大学政治経済学部>在学生の方へ>科目登録>演習http://www.waseda-pse.jp/pse/jp/student/entry/post-3.html (2014年7月14日最終アクセス)
※3ゼミオリエンテーションのこと。
※4『政経ゼミの友』のこと。
※5興味のある方は「ジャーナリスト・メディア関係者個人史聞き取り調査プロジェクト : 調査報告書 第一回~第四回」が早稲田大学図書館にありますので見て頂ければ、と思います。
※6放送ライブラリー http://www.bpcj.or.jp/ (2014年7月14日最終アクセス)

 

(山田友明)

ゼミジャーナル

インタビュー調査

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