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シリーズ・経済ジャーナリストインタビュー2015 <第26回>井上士朗氏

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 井上士朗氏は1933年に早稲田鶴巻町で生まれる。 父が『都新聞』で働いていた関係で小中学校を横浜・上海・姫路で過ごす。 13歳の頃からバイオリンを習い始め、「私の運命は、就職から何から全部音楽に絡まっている」と言う。 父と同じ早稲田大学第一政治経済学部経済学科に入学。 大学時代は早稲田大学管弦楽団(現在の交響楽団)で活動し、現在も同楽団OB会の最年長名誉役員を務める。 就職浪人中は築地市場にある信用金庫で集金の仕事をし、人情の世界を知る。 その時の経験から金融業界へ就職しないことを決意。就職浪人中に開催した同楽団OB会にて先輩の推薦を受け、1957年油業報知新聞社に入社。
 入社後は自力で成長産業を勉強し、石油化学会社や商社さらにガソリンスタンドを独自に取材した。 1965年に石油部長に就任後、米国のコンビニエンスストアでガソリンが売られ始めたことに目を付け海外出張でコンビニを見て回った。 それ以降40回以上も自腹でも海外出張を行った。1969年に『月刊給油所日本』編集長、1975年に『油業報知新聞』編集長となり、 保険業界、自動車業界、流通業界、スポーツ取材など幅広い分野を扱う。 1985年に取締役に就任、会社に内緒で著書『ガソリンスタンド経営が危ない』を出版。 2002年に油業報知新聞社を退社後、熱心な勧誘をされ、セントラル通信社に入社。 2015年6月から同通信社編集委員を務める。「ジャーナリストは何でも興味がないと」いけないと語る井上氏は、 視野の狭い専門記者ではダメで 「社会的なマーケティングの中で…どういう風に今後どうなっていくだろうかという、そこまで見ないとダメです。」と言う。
 また、戦後の経済ジャーナリストは日本経済の復興を励ます下地を作る役割を果たしたと語る。 一方で現在のジャーナリストは批判をするだけではなく、「良いことは良いと言わなければならない」と言う。 「私は事実をありの素材のまま記事にし、余計な論評を付け加えないのが好きです。ニュースの分析・評価は視聴者が行うべきだと考えるからです。 それがニュースの偏向を避ける道だと考えます。」

   インタビュワー
主担当:藤原拓也、副担当:柴田翔子  

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