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シリーズ・経済ジャーナリストインタビュー2015 <第10回>島崎勁一氏

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 島崎勁一氏は1940年東京生まれ。 戦争中には千葉県に疎開した体験を持つ。 1960年に慶應義塾大学経済学部に入学し、当時盛んであった学生運動に積極的に参加しながら学生時代を過ごす。 マスコミ志望だったが、当時読売新聞社政治部の記者であった渡邉恒雄に言われて諦め、1964年日本評論社に入社した。
   『経済セミナー』の編集部に配属され、編集長の「原稿を失くすな」という教えの下、原稿取り、原稿運びなど編集者としての経験を積む。
 しかし、1960年代後半、方針で編集長と対立したことで、日本評論社を辞職し、全く分野が異なるSEとして日立製作所に入社する。 だが、「全部上から命令されてやる仕事」ばかりで、「こんな事やっていてもしょうがないと思い始め」ていた頃、 筑摩書房が経済系の編集者を募集していたのを目にし、応募。1970年に筑摩書房に入社する。 「やっぱり、編集というのは面白いなと。…編集というのは、基本的に自分で作る仕事だなと思ったんです」。
 筑摩書房では経済学編集室で『経済学全集』の編集に携わり、厳しい編集室長の下で編集の苦労を知り、 編集者として「face to face というのがいかに大事か」を学ぶ。 『経済学全集』第一版にみるマルクス経済学の全盛期から近代経済学の興隆へと、経済学の変化を肌で感じつつ、1985年には編集部長に就任。
 1992年、NTT出版社にスカウトという形で入社し、1998年にはNTT出版取締役第一出版本部長に就任。 青木昌彦『比較制度分析に向けて』などの著書を世に送り出した。
 2004年にはNTT出版を退社し、慶應義塾大学出版会に入社。 同年、取締役企画を担当し、NTT出版顧問を兼任する。 「今の先生たちはよく言えばあまり編集者を叱らない。また、悪く言えば、編集者と自分は違うんだという意識が強すぎると思います。」と言う。
 今日の経済学では、物事を包括的に捉えることができなくなっているという現状を島崎氏は指摘する。 「それが今の経済学には出来ていないと思います。人を安心させるにはやはり<全体像>が必要なのです。」と語る。

   インタビュワー
主担当:山田日月、副担当:内村美夢  

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